2.カルナーティック音楽とヒンドスターニ音楽

インド音楽がとカルナーティック音楽(南インド音楽)とヒンドスターニ音楽(北インド音楽)に分かれていくきっかけになったのは、8世紀初頭から始まった北からのイスラム教徒の侵入の影響によります。

12世紀から13世紀にジャヤデーバ・ゴースワミーによって書かれたギータ・ゴビンダは女性「ラーダ」の「クリシュナ神」への献身的な信仰を愛情表現に置き換え綴った詩歌(物語)で、その韻律(唄)と詩は多くの音楽や舞踊などでも頻繁に取り上げられていて、今日のインドの芸術に大きな影響を与えています。

また「ギータ・ゴビンダ」は楽曲に「ラーガ」と「ターラ」が指定された最初の作品と言われています。13世紀に シャールンガ・デーヴァによって著されたサンギータ・ラトナーカラという著作の中では、当時音楽が北インドと南インドと異なる体系に分かれている事実が記されています。